土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:登記簿謄本など不動産の表示に関する登記全般。
経歴:開業以来20年間、登記簿謄本に関する登記申請業務を行ってます。
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よく間違えやすいのが、
住居表示を土地の地番と思い込んでしまうことです。
住居表示とは、○○市□□町1丁目1番2号のように、
最後に号が付いている点で、
土地の地番と大きな違いがあります。
つまり、何番何号というのは、土地の地番のことではなく、
郵便物などを配達しやすくするための住所なのです。
そして、土地や建物の登記簿謄本を取得する時には、
住居表示の番号ではなく、土地の場合には、土地の所在と地番、
建物の場合には、建物の所在と地番、家屋番号が必要になります。
つまり、いずれも、所在と地番が正確にわかっていることが前提となり、
もし、地番がわかっていなければ、
登記簿謄本を取得することが難しくなります。
住居表示の番号を土地の地番と間違える人も多くいますが、
住居表示の番号からは、
土地や建物の登記簿謄本は取得できませんので注意が必要です。
登記簿謄本の交付申請書に、住居表示を記入しても、
法務局の担当者はすぐに住居表示ということがわかります。
しかし、法務局では、住居表示からは、
登記簿謄本を発行すべき土地や建物が特定できませんので、
登記簿謄本を発行できないということになります。
何番何号というふうに、最後に号が付いている住所は、
住居表示ですので、
土地や建物の所在地番とは違うということをしっかり認識しておきましょう。
では、登記簿謄本の交付申請書の所在と地番の欄に、
間違えて住居表示を記入した場合、
どうなるのでしょうか。
もし、法務局の窓口へ直接出向いていれば、
親切な窓口担当者でしたら、法務局に備えている住宅地図などから、
申請人が欲しいと思っている土地や建物の所在地番を、
一緒に探してくれるかもしれません。
ただ、あくまで手助け程度になりますので、
住宅地図などから正確な所在地番がわからなければ、
やはり、登記簿謄本を取得できないということになります。
また、本来は、申請人が土地や建物の所在地番を特定すべきことなので、
住居表示からは特定できないので、
登記簿謄本を発行することはできませんと対応されることもあるでしょう。
そして、登記簿謄本の交付申請書等を郵送で送った場合には、
所在地番を書くべき個所に、間違えて住居表示を記入してしまうと、
法務局の担当者は、該当なし、か、不明という回答になると思われます。
いずれにしましても、土地や建物の登記簿謄本を取得する時には、
何番何号という最後に号の付く住居表示ではなく、
最後が何番か、何番何という地番を正確に調べておく必要があります。
住居表示が実施されている区域の、
底地の所在地番の調べ方としましては、
もし、手元に過去の登記申請書類があればそれを調べる方法と、
固定資産税の納税通知書を確認する方法があります。
さらに、権利証や登記識別情報という書類でも、
底地の所在地番を正確に知ることができます。
ただ、そういった資料が手元に無い場合や、
他人の土地や建物の登記簿謄本が必要な場合には、
やはり、住宅地図から探す方法しかないのかもしれません。
なお、住居表示と底地の地番が記載されている住宅地図については、
それを置いている法務局と、置いていない法務局がありますので、
法務局に行く前に、確認が必要になります。
もし、法務局に置いていなければ、それを購入するか、
近くの大きな図書館に置いている場合もあるようです。