この記事の監修者

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:登記簿謄本など不動産の表示に関する登記全般。

経歴:開業以来20年間、登記簿謄本に関する登記申請業務を行ってます。
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区分建物とは、簡単に言えば、
分譲マンションのことです。

ただ、賃貸マンションであっても、
各部屋の所有権者がそれぞれ登記されている建物なら、
区分建物と言えます。

また、よくある賃貸アパートの建物で、
一棟全体を、1人の所有権者が所有している建物については、
区分建物とは言えません。

区分建物としての要件は、
まず、構造上の独立性があることです。

構造上の独立性とは、各部屋が、壁や床、天井などによって、
他の部屋と完全に区分されていて、
出入り口も独立していることです。

次に、区分建物としての要件としては、
利用上の独立性があることです。

具体的には、独立した出入り口があり、
廊下や、外に、直接出れる必要があります。

たとえば、各部屋同士を、出入り口以外から行き来できてしまうと、
区分建物とは言えないということなのです。

また、区分建物として認められる各部分のことを、
専有部分と言います。

区分建物の登記簿

登記簿謄本(登記事項証明書)や、登記事項要約書、
インターネットから登記情報を取得したときに、
表題部に、(一棟の建物の表示)と書かれていることがあります。

この(一棟の建物の表示)がある建物こそが、
区分建物といえるもので、
かならず、その下には、表題部(専有部分の建物の表示)の記載があります。

一棟の建物の表示とは、建物全体のことを示したもので、
建物の所在、建物の名称、構造、床面積、
敷地権に関係することなどが記載されている部分です。

つまり、(一棟の建物の表示)という記載があれば、
その建物は、分譲マンションのような区分建物であると、
理解して良いということになります。

ただ、区分建物=分譲マンションというわけではなく、
事務所や店舗が入っている建物についても、
区分建物である場合があります。

そして、専有部分とは、独立した各部屋のことで、
所有権の登記ができる部分のことです。

各部屋と言っても、たとえば、2LDK分譲マンションであれば、
リビング部屋、ダイニングキッチン部屋などの各部屋というわけではなく、
2LDK全体の部屋という意味です。

つまり、その2LDKの専有部分には、
所有者が誰某という所有権の登記ができるわけです。

そして、自分が所有している区分建物の登記簿謄本、
又は、登記事項要約書、ネットからの登記情報を取得する場合には、
(一棟の建物の表示)と、(専有部分の建物の表示)が記載されたものになります。

ただ、(専有部分の建物の表示)については、
自分が所有している専有部分についてのみの記載となります。

なぜなら、もし、全部で100戸の分譲マンションのような場合に、
他の専有部分の建物の表示についても、連なって全部屋分記載されてしまうと、
とんでもない枚数の登記情報になってしまうからです。

そのため、(一棟の建物の表示)については、
どの専有部分の登記情報を取得しても同じ内容なのですが、
(専有部分の建物の表示)については、専有部分ごとに取得できるということです。

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