この記事の監修者

土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:登記簿謄本など不動産の表示に関する登記全般。

経歴:開業以来20年間、登記簿謄本に関する登記申請業務を行ってます。
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用語的には、謄本とは、
原本のすべてを写したもので、
抄本とは、原本の一部を写したものになります。

そして、登記簿謄本とは、登記簿の原本をそのまま写したものですが、
登記簿抄本は、登記簿の必要な部分のみを抜粋して、
写したものと言えます。

また、登記簿謄本と登記簿抄本の大きな違いとして、
謄本には、発行年月日と発行法務局名、
登記官の氏名と印が押されていることです。

それによって、登記簿謄本は、
第三者(他人)に対しても、
法務局が発行した書面としての証明力があると言えます。

逆に、登記簿抄本には、発行法務局名や、
登記官の氏名や印が押されていませんので、
第三者(他人)に対しての証明力が弱いということになります。

ただ、登記簿謄本や、登記簿抄本というのは、
登記簿がデータ化される前の話しなので、
現在では、その名称や様式が違っています。

どういうことかと言えば、
まず、登記簿謄本は、内容については今も昔も変わりありませんが、
現在では、登記事項証明書という名称に変わっているということです。

そして、登記簿謄本の時には、縦書きでしたが、
現在の登記事項証明書では、横書きで記載されています。

ただ、正式な名称は、登記事項証明書に変わっているのですが、
昔からのなごりで、登記事項証明書のことを、
現在でも登記簿謄本と呼んでいる人も多いです。

特に、昔から不動産の登記簿謄本に関わっている仕事をしている人は、
正式な名称が変わったからと言って、
同じ内容のものなので、なかなか呼び名を変えられないのかもしれません。

そのため、いずれにしましても、登記簿謄本と言えば、
現在の登記事項証明書のことを意味していますので、
そのことをまずは理解しておく必要があります。

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また、登記簿抄本は、
現在、登記事項要約書という名称に変わっています。

そして、登記簿抄本の時には、縦書きでしたが、
現在の登記事項要約書は、横書きになっています。

その理由としては、昔は、コンピューターが普及していない時代でしたので、
手書きの縦書きが主流でしたが、
現在では、データ化が進み、横書きが主流となっているからです。

ただ、登記事項証明書のことを、
今でも登記簿謄本と呼んでいる人が多いのに比べて、
現在の登記事項要約書のことを、
登記簿抄本と呼んでいる人はほとんどいないと思われます。

個人的な感じでは、
登記事項要約書については、略して要約書と呼ぶ人が多く、
その方が、登記簿抄本と呼ぶよりもしっくりくるのかもしれません。

なぜなら、登記事項要約書には、
ある不動産の登記内容について、
現在の最新の必要最低限の情報が記載されているからです。

つまり、ある不動産の過去の登記内容については、
ほとんど記載がされておりませんので、
ある不動産の要約的な内容になっているのです。

そういった理由からも、あくまで個人的な感じでは、
登記事項要約書という名称の方が、
登記簿抄本と言うよりも、ぴったりなのかもしれません。

逆に、登記事項証明書については、
略して、事項証明書と呼んでいる人も多いのですが、
やはり、登記簿謄本と呼んでいる人も多くいるようです。

なぜなら、登記簿謄本の方が、第三者への証明力がありますので、
昔から利用機会も自然と多くなり、
登記簿抄本よりも、登記簿謄本という名称をよく使っていたというのも、
理由のひとつかもしれません。

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