土地家屋調査士:寺岡 孝幸(てらおか たかゆき)
資格:土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)、行政書士。
取扱い分野:登記簿謄本など不動産の表示に関する登記全般。
経歴:開業以来20年間、登記簿謄本に関する登記申請業務を行ってます。
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ここでは、登記簿謄本の見方の補足をしておきます。
まずは、以下の画像の、ある土地の登記簿謄本の具体例を見ながら、
わかりやすく説明していきます。
先に、表題部(土地の表示)の『所在』と『地番』欄、
そして、『地目』と『地積』欄については、
土地登記簿謄本の見方のページでご説明しましたので省略します。
土地の登記簿謄本(登記事項証明書)の例
では、『原因及びその日付』欄についです。
ここには、簡単に言えば、その土地の経緯と、
その日付が記載されることになります。
たとえば、1筆の土地を、ある理由によって2筆、3筆・・・に分けた場合、
□番□、□番△に分筆といった記載がされます。
具体的には、1番という土地を2つに分ける場合には、
1番1という土地と、1番2や1番3といった地番が付けられます。
この場合、元々の地番である1番についても、1番1に変更がされて、
新しく出来た方の地番については、
その時の最終地番が付けられることになります。
最終地番とは、たとえば、1番1、1番2、
1番3、1番4までが、他の土地でその時使用されていれば、
1番5が最終地番となります。
もっと簡単に言えば、ある土地を分筆する時には、
他の土地で使用されていない地番を、
分筆して新しく出来た地番に使用するということになります。
また、土地を2つ、3つに分けた場合には、分筆と記載されますが、
逆に、2つ、3つの土地を、1つにまとめた場合には、
合筆と記載されることになります。
この分筆、合筆と、その日付の記載によって、
その土地の経緯がわかるようになっているのです。
また、過去に地目が変更されていれば、
この『原因及びその日付』欄には、
地目変更の旨と、その日付が記載されていることになります。
上記のように、分筆や、合筆、地目変更などによって、
登記簿謄本の表題部の①地番欄や、
②地目、③地積欄にも変更がでてきます。
そして、『原因及びその日付』欄には、
②平成○○年○月○日地目変更や、
①③□番□、□番△に分筆などの記載がされます。
この①、②、③の記載については、
それぞれの番号の欄の内容について、
変更がありましたよという意味の記載です。
つまり、『原因及びその日付』欄には、
①の地番に変更があれば、①が記載され、
②の地目に変更があれば、②が記載され、
③の地積に変更があれば、③が記載されてから、
その原因と日付についても記載されているということです。
最後に、『登記の日付』についてですが、
これは、単純に、法務局で処理を行った日付のことです。
たとえば、分筆や合筆をしたのはいつ頃なのかなと思えば、
この『登記の日付』を見れば、
その年月日がわかる仕組みになっているのです。
以上が、土地登記簿謄本の見方の補足になりますが、
さらに、土地によっては、『所有者』という欄が記載されていることがあります。
もし、所有権の登記をしている土地であれば、
登記簿謄本の表題部の下の『権利部』という所に、
所有者の住所と氏名は記載されます。
しかし、古くから所有者が同じ土地の場合、
売買などが行われていなければ、
所有権の登記をしていない土地も意外と多くあります。
このような土地は、山間部など市街地以外の土地に多いのですが、
表題部の一番下に『所有者』として、
その土地の所有者の住所と氏名が記載されています。
このことから、もし、表題部の一番下に『所有者』欄の記載があれば、
その土地は、所有権の登記がされていない土地であることがわかるのです。